『相国寺の禅林文化』 承天閣美術館
2008/03/13(Thu)
うららかなお天気に誘われて相国寺の境内にある承天閣美術館 へでかけてきました。

相国寺はわが家からは自転車ですぐ、
連れ合いは通勤の途中、よく相国寺さんの境内を通り抜けさせていただいているようです。




西の入り口に看板が出ていました。

境内に入ると梅の花が盛りです。

白梅、紅梅取り混ぜて、香り高く咲き誇っていました。







時折吹き抜ける風に薫る梅の香があまりに素敵で、できればそこにずっと立っていたい気持ちになります。

先日の知恩院同様、こちらも「京の冬の旅」キャンペーンで特別拝観中ですが、今日の目的は 承天閣美術館で開催中の展覧会です。

今回は足利義満600年忌記念の展覧会ということで展示物には義満ゆかりの作品が多く見られました。
肖像画や、墨書、愛用の工芸品などです。
なかでも心引かれたもの、
一つは、唐物小丸壷茶入

高さが3センチほどだったでしょうか、ころんと丸い、小茄子型でそれは愛らしかったです。手の中で肌合いを楽しみたい、そう思わせるようなお茶入れです。

このお茶入れは青貝をふんだんに使った螺鈿のお盆のうえにちょん、と載せられての展示で、その組み合わせもまた美しくすばらしいのです。

香合では、呉須染付有馬筆香合という、これまた小さな小さな作品。
こちらは2センチ角ほどの四角の陶器で、白地に藍で、人物画が描かれ、蓋部分にはほんとにちっちゃな人物の立ち姿が作られている香合でした。

お茶入れ、香合、ともにすばらしいデザインは現在まで伝わり、新物で同じ意匠のものが作られていますが、様々な人に愛でられ歴史を見てきたお品はどこか違うようです。

墨書もいくつも展示されていたのですが、会場内に、墨書と墨跡の違いの説明がされていました。
一般に、墨で書いたものを墨書、というそうですが、墨跡というのは、禅僧など、悟りをひらいた人が書いたもの、ということになるそうです。
いままでそんなこと知らなかったの?と言われそうですが、私は墨書も墨跡も同じように思っていたんです。
説明をよんで、「ほう、そうなのか!」と。

「宋 元」と二つの漢字の書かれた、蘭渓道隆の墨跡は以前にもみたのですが今回改めてそのすばらしさにちょっと感動でした。
蘭溪道隆(らんけい どうりゅう)というのは、鎌倉時代中期の南宋から渡来した禅僧だそうです。
大胆でのびやかな、それでいて上品でとても立派な書でした。
解説に、遠く故郷南宋に思いをはせて書かれたのではないか、とありました。
昔はこの蘭溪道隆と同じように多くの僧が中国から仏教を広めるために日本に渡ってこられたんですね。
今と違って、海を渡って日本に来る、ということ自体、命がけの時代、言葉もままならない中、こういった人々の信念は私などには想像もできないほどのものだったんでしょう。

絵画もすばらしいものがたくさん出品されていました。
以前みたことのある伊藤若冲の掛け軸や襖絵、障壁画、それに狩野派の画家の作品などいずれもなかなか美しいものばかり。

なかで興味を引かれたのは円山応挙の「斑鳩図」でした。
絵そのものもすばらしいのですが、私が興味を持ったのは「斑鳩(イカル)」という、その絵に書かれた鳥なのです。
イカル、なんて鳥、みたことも聴いたこともありません。
そこに描かれている鳥を見ても、見覚えはなく、どうやら嘴に特徴のある姿をしているようです。
(地名の斑鳩となにか関係があるのかな?)と思いつつ会場を出ました。

唐門からのぞく方丈の屋根。




甍の流れが美しく、雄大な線を持った建物です。
境内には梅、
梅には桜とは違ったすがしい魅力があります。




苔とのコントラストがきれいでした。

帰り道、花を買って帰りました。
クメールの壷にはチューリップとフリージアを、黒高麗にはスイートピーとマーガレットを挿してみました。








「きれいに咲いてね」と一人花に話し掛けながら、

そうそう!
イカルです。
調べてみました。
いるんですね、斑鳩という名前の鳥。 
画像を見てみました。
斑(まだら)の鳩という名の通り、黄色い嘴にシルバーグレーの羽をもった鋭い目つきの鳥です。
そして、「斑鳩」という地名は斑鳩(イカル)が群れていたからついた、との記述もありました。
なんとなく直感で思うことって、案外当たってることが多くて思わず「やっぱり…」。
ご近所美術館へのお出かけ、得るものが大きな一日でした。
この記事のURL | ぐるり京都 | CM(23) | TB(0) | ▲ top
<<まめな生活 | メイン | 知恩院へ>>
コメント
- こんばんは -
はじめまして
よろしくお願いします

京都にお住まい
さいたまとは、違いすぎる・・まぁいいでしょう
これだから、blogはいいのですね
違う文化に出会える 
楽しみにしております

また寄せていただきます。
2008/03/13 23:42  | URL | tonko #RgyCeBHA[ 編集]
-  -
直感あたって すごいですね。
 まだらのはと なんですか。語感がすきで何度も訪れた土地ですが はととはしりませんでした。地名にかかれているのにね。   丸山応挙という方は 画題のおおいひとなんですね。有名な自画像みたいなのや ゆう・・がゆうめいですが。ここで色々教えていただけます。ありがとう。
2008/03/14 06:02  | URL | 小紋 #-[ 編集]
- こんばんは! -
足利義満600年忌記念の展覧会・・・600年前の物、単純に凄いです。
この頃のお道具は、小物ですね・・・それとも唐物、高麗物が小物なのでしょうか・・・?
そして、墨書と墨跡の違い・・・なるほど初めて知りました。
『墨跡』の方が、ありがたく、格が上なのですね!
1つ、覚えましたよ。ありがとうございます。
絵画も素晴らしかったようで、見ごたえあり・・・ですね!
この時代だったら、私は若冲が好きです。
お花も春らしくて、ステキです。
バックにあるカメラも雰囲気ありでステキですね(^^)


2008/03/14 20:56  | URL | tourien #-[ 編集]
-  -
こんばんは
この展覧会には行きたいと思いつつ、時間調整が出来なくて諦めモードなのですが、読んでて「うぐぐ」です。やっぱり行かないとあかんなぁーと。
今出川通り界隈には好きな場がとても多いです。
明日は京都ハイカイします。
2008/03/14 21:35  | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
- tonkoさま -
こんばんは。
コメントありがとうございます。
ほんとに、ネットの世界は普通ならご縁のなかった方々との交流が生まれて楽しいですね。
埼玉といえば川越城の時の鐘をぜひ一度たずねてみたいと思っています。

ぜひ、またお越しくださいね。
2008/03/14 22:49  | URL | 紫 #-[ 編集]
- 小紋 さま -
斑鳩、ネットで見たら黄色いくちばしに黒い頭、体はグレーで、羽は半分ブルーで半分は白線の入った茶色、尾は黒に近いブルーで、ほんとに「まだら」なんです。
顔つきもちょっと鋭くて強面でした。一度実物を見てみたいです。
応挙、以前にNHKの特集番組で見たんですが若い頃から表現の工夫に面白いところがあった人だそうで、大きな箱の中に京都の町並みを作ってそれに外から光を当ててさまざまに変化させて見せる、といったようなカラクリなども作っていたそうです。
その番組を見てから、写実の人、としてだけ知っていたときよりずっと好きになりました。
2008/03/14 22:58  | URL | 紫 #-[ 編集]
- tourienさま -
会場には珍しい青井戸の茶碗など、ほかにもすばらしいものがたくさんありました。
個人的に「ちっちゃい」もの好きなのでブログでお話しする時、ついついちっちゃいものにこだわってしまうのですが、そういわれてみると小ぶりなものが多かったような気がします。

クメールの壷の隣にあるカメラは年代物で、連れ合いの父が大事にしてたものを譲っていただきました。
素敵でしょ? お気に入りなんです。(^。^)
2008/03/14 23:03  | URL | 紫 #-[ 編集]
- 遊行七恵さま -
明日は京都へこられるんですね。 
雨が一日早くてよかったです。
いいお天気になるといいですね。
今出川は東も西も学生の通り、というイメージもありますよね。
御所もあって、北野さんもある。
明日の京都行の記事、見せていただくのが楽しみです。
2008/03/14 23:08  | URL | 紫 #-[ 編集]
- 生まれて始めてですよ。 -
こんばんは、イカルの写真をネット見てびっくり
この鳥、何処かで私は見ています
ですが記憶が・・・思い出せません
たぶん街中のどこかの公園だと思うのですが
温暖化の影響でオウムとかインコとかが
野生化しているというニュースを覚えていたので
きっとそのたぐいの外来種とばかり思っていました。
日本に古来からいた鳥だったんですね。
始めて知りました、ホントに生まれて初めてですよ。
2008/03/15 22:58  | URL | aki #-[ 編集]
-  -
こんばんは。ずいぶんとご無沙汰しております m(_ _)m
死ぬんじゃないかと思うような忙しい日々もやっと終わり、
何とかブログを再開することができるようになりました^^
ずっと不義理をしておりましたが、以前と同様、これからも
仲良くおつきあいいただけたらうれしいです^^

【お知らせ】
今回長いお休みを頂戴しておりましたので、今までできなかった
サイトの引っ越しを行いました。是非遊びに来てくださいませ^^

● 旧サイト http://easykyoto.exblog.jp/
● 新サイト http://easykyoto.jp/

コピー&ペーストでお知らせしております。ご容赦下さいませm(_ _)m

2008/03/16 02:36  | URL | ひろ #-[ 編集]
- aki さま -
おはようございます。
私も応挙の絵をみて、なにか妙に気持ちに残って帰宅して帰ってみたんです。
けれど、私はイカルって鳥、見たことも名前を聞いたこともなかったんです。
すぐお隣の県、奈良にあるあまりに有名な地名の由来になった鳥だったなんて。
最近でも近畿圏で見ることができるんですね、ぜひ出会ってみたいです。
2008/03/16 09:30  | URL | 紫 #-[ 編集]
- ひろさま -
いつも素敵な時間の切り取りを見せていただけて楽しみです。
また新しい「ひろさんの目」を見せていただけますね。
さっそくお邪魔しました。
リンク先、変更しますね。
2008/03/16 09:34  | URL | 紫 #-[ 編集]
-  -
斑鳩、気になってネットで見てきました。
黄色い嘴がとっても印象的ですね。

お花が綺麗に生けられていて素敵ですね。
フリージアは大好きな花です。
「きれいに咲いてね」って声をかけるんですね。
私も「きれいね。いい香りだね」って花に声をかけます。
きっと花もそれを聞いて、ずっと長く咲いていられるような気がします。

2008/03/16 17:46  | URL | ば〜むく〜へん #-[ 編集]
- ば〜むく〜へんさま -
イカル、私も画像とかイラストとかいろいろ見ました。
おっしゃるとおり、嘴が印象的ですよね。
応挙の絵のなかの「イカル」も嘴がすごく印象的で、はじめ私はオウムは昔「イカル」と呼ばれていたのかな?って、あほなこと思ってたんですけど (^_^;)

切花でも、庭の野菜や花でも植物は絶対言葉を聴いてますよね。
元気がなくなったと思っても「がんばって!」と声をかけてると不思議に元気になってくれます。
2008/03/16 21:32  | URL | 紫 #-[ 編集]
-  -
相国寺は梅もキレイなんですね。
イカルって、たしか宮沢賢治の物語に出てきませんでしたっけ?うろ覚えですが・・・
それにしても、紫さんちはいつもディスプレイが素敵ですねー。見とれてしまいます。
2008/03/16 23:44  | URL | ぽん #-[ 編集]
- ぽんさま -
こんばんは。
宮沢賢治で鳥というと「よだかの星」しか思い浮かばないです。
高く高くどこまでも上ってく、というところがどこかギリシャ神話のイカロスをイメージさせますね。
で、ネットで検索してみました。
賢治の詩の「鈍い月あかりの雪の上に」に出てくる川千鳥という鳥がイカルチドリという鳥ではないか、と書かれたサイトがありました。

器と花の飾り方、ついつい同じようにばかりなってしまいます。
もっといろいろ楽しめるといいんですけど (*^_^*)
2008/03/17 22:05  | URL | 紫 #-[ 編集]
- イカル -
イカルが気になり
検索すると
黄色の口ばしに尾が長く
気品のある鳥です

なんとなく 斑鳩の里と申してましたが
ちゃんと実在してます
最後ですが、コメントありがとうございました。
2008/03/17 23:22  | URL | tonko #5m2wgIxg[ 編集]
-  -
イカル、写真を観ました。
「あれ? 何かに似てる。。。」 クチバシが黒だったら、昔、飼っていた手乗り文鳥に良く似ています。
たまたま、私が観たものが似ていただけかも知れないのですが・・・。

梅のお花も、飾られたお花も、とっても綺麗ですね。
スイートピーは、最近、色が柔らかなものが出てきて、出先で、本当に可愛らしいのが「買ってね。」と言っているようだったのに、帰宅まで時間があったために諦めました。

お花は、心を豊かにしてくれますね。
2008/03/17 23:51  | URL | みぉ #2.9j8I/Y[ 編集]
- tonkoさま -
こんばんは。

イカル、なんだか大人気みたいです(笑)
けれど、知らなかったのは私だけじゃなくて、あまり知られていない鳥のようですね。
ぜひ一度、実物とあって見たいと思っています。
知らなかった鳥を教えてくれた応挙さんに感謝しなくちゃ。
2008/03/18 01:22  | URL | 紫 #-[ 編集]
- みぉさま -
斑鳩、応挙の絵を見たときは鸚鵡かなぁ、と思ったりもしたんですけど、違ってました。
ネットで調べたところによると生息してるのは日本と朝鮮半島、台湾、それに中国の南東部のようです。
こうしてみると野鳥ってずいぶんいろんな種類がいるんですね。

自宅近くに花屋さんがあって、仕事帰りに通りかかるとたいてい少し値段が下がって店先のバケツに無造作に花束が売られているんです。
ついついお財布を開けてしまいます。
でも、花を買うと幸せがついてくるような気がします。
2008/03/18 01:31  | URL | 紫 #-[ 編集]
- こんにちは -
こんにちは。 今日は訪問させて頂きました。
自転車でこのようなお寺に行けるとはうらやましい限りです。
京都は歴史と文化の宝庫。
私は大阪出身ですが、ずっと京都の町には心惹かれるものを感じていました。
また拝見させて頂きます。
2008/03/18 12:33  | URL | obachan-family #Ew9K5Q5M[ 編集]
- obachan-family さま -
お越しいただきありがとうございます。
大阪のご出身なんですね、私は勤め先が大阪です。

京都に住んでいるとちょっとした散歩の途中にも歴史の連なりを感じることができる場所がたくさんあるのでありがたいな、と思います。
すんでる者が守っていかなくてはいけないですね。

ぜひまた遊びに来てくださいね。
2008/03/18 20:46  | URL | 紫 #-[ 編集]
- 承認待ちコメント -
このコメントは管理者の承認待ちです
2008/06/17 13:44  | | #[ 編集]
コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する


▲ top
トラックバック
トラックバックURL
→http://artkyoto.blog104.fc2.com/tb.php/111-4fbf128c

| メイン |