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曜変天目とウルビーノのヴィーナス 
2008/03/23(Sun)
久しぶりの出張で、神奈川・東京へと出かけていました。

会議と、その前夜の懇親会に出席するためでした。
午後からゆっくり出かけても夜の懇親会には十分間に合ったのですが
朝早くに京都を出て、静嘉堂文庫美術館に行くことにしました。

のぞみを新横浜で降りて横浜地下鉄に乗り換え、あざみ野で東急田園都市線に乗り換えて二子玉川へ。
駅前のロータリーで赤くて小さな巡回バスにのって静嘉堂文庫まで。

京都のバスは後ろ乗り前降りで、料金は下車するときに支払います。
ここのバスは前乗り前降りで、料金は乗るときに支払うんですね。
よその町に行くとバスってなんだか緊張します。
電車はそうでもないんですけど、バスって(ここのシステムは???)って、周りの人の様子を見ながら小銭をあわてて用意したりしてどきどきするのは私だけなんでしょうか?

雨と風がひどい関東でしたが、満員でぎゅーぎゅーのバスはほとんどの乗客を美術館前ではきだしほとんど空になって次の停留所へと走り去っていきました。

バス停から坂道を、美術館目指してあがります。
小高い山  世田谷にもまだこんな自然が残っていることにちょっと驚きながら入り口に。
傘たてにはもう空きもなく、入場券売り場には列ができています。

「茶碗の美」 国宝 曜変天目と名物茶碗 展は3月23日まで
いつもながら滑り込みの鑑賞です。




稲葉天目と呼ばれている南宋時代のお茶碗が公開されています。
会場中央に飾られたこのお茶碗の周りには人だかりができていました。
その人だかりに隙間ができるのを待ってガラスケースに張り付きます。

きれい

なんとも表現力が乏しいことが悔しいのですけれど、
宇宙の闇の中に光を見るような、深い空間がそこにあるようでした。

思えば、私が初めてこのお茶碗に出会ったのはまだ小学生の頃、
NHKで天目茶碗を特集した番組を偶然見たのです。

それまで見たこともない美しい世界がそこにありました。

曜変天目や油滴天目はテレビのブラウン管の中できらきらと輝き、漆黒の闇の中に永遠のときを閉じ込めたように見えました。

こんなにすごいものが世の中にあるんだ・・・・・・

その茶碗が今、自分の目の前にある、
なんとも不思議な感覚でした。

稲葉天目のほかにも油滴天目や井戸茶碗、楽茶碗など80点あまりの作品が展示されていて
予想以上の館内の混雑振りにもかかわらずしっかり堪能できたすばらしい内容でした。

翌日は朝から本社で会議。

午後4時前に会議が終わるのを待って上野の国立西洋美術館へビーナス展を見に行きました。

前日に続いて雨交じりの風が吹く中、それでも上野公園の桜はほころび始めています。
桜は京都より東京が早いみたい。

国立西洋美術館の前庭にはロダンの作品がいくつも展示されています。




カレーの市民




こちらは地獄の門の考える人の部分

昨日訪れた静嘉堂文庫より空いているみたい。

とりあえずロッカーを確保して会場内へ




日本では初お目見えのティツィアーノの「ウルビーノのビーナス」を中心とした、ルネサンス期のビーナスがゆったりと配置され、ゆっくりと見て回ることができました。

ロレンツォ・ディ・クレーディの描いたヴィーナスの立ち姿。
穏やかな顔と肉付きのいい下腹部、乳房 左足を少し前に出したその肉体は、まるで男性のように筋肉がしっかりと描かれ「ヴィーナス」という私の中の固定観念からは少し違和感があります。

ポントルモの描いたヴィーナスにいたっては乳房のふくらみ意外は男性そのものの体つきをしています。

そもそもヴィーナスは古代神話の中に登場する愛と美の女神。
キリスト教の神ではない、ということでルネサンス期までは絵画の題材としてとりあげられることも少なかったようです。

美術史の中でヴィーナスの描かれ方がどのように変遷して行ったのか、
その変化の様子を展覧会は部屋を追うごとに見せてくれました。

意外にも「ウルビーノのヴィーナス」のまえにはぽっかりと空間ができていて、まるで私のためにゆっくりと見る機会を与えてくれているかのよう。

評判通り、どの角度から見てもヴィーナスと目が合うかどうか確かめることもできたし、近づいたり離れたりしながら、細部を確認したり全体の雰囲気を味わったり、が存分にできました。

出品が30作品をきる点数でしたので気持ちの上でもゆっくり見ることができたように思います。
最後の展示作品
ラファエロ・ヴァンニの「キューピッドを鎮める「賢明」




やや女性好みの絵かもしれませんが、私はこの作品がすごく好きになりました。
ビロードのような布に隠された絵を見ようとしているキューピッドをやさしくとめるヴィーナス。
ほんの少し見える画面には高貴な女性が描かれているようです。
全体のやさしいタッチ。
ブルーの効果的な使い方。
会場を後にする最後に見るにふさわしい印象を持っているように感じました。





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コメント
- こんばんは! -
出張お疲れ様です。

でも、ちょうど良いタイミングでよかったですね(^^)
ティツィアーノの「ウルビーノのビーナス」は、
先日TVで、見ましたが・・・本物見たいです。
私も、筋骨隆々は、ちょっと・・・イヤですね!
時代的に、筋肉まで書くというのが、流行っていたんですかね??

油滴天目、木の葉天目など、現在の作家さんも作ろうとしているそうですが、
出来ない・・・とこれもTVで、言っていました。
あれだけ、はっきり、出す、出た・・・と言うのは、奇跡なのでしょう!!
でも、小学生で、関心を持たれるとは・・・お好きに成られて
もう、かなりの年季が入っていますね?
しっかり、ついていきますよ!
良いのを見せて頂き、ありがとうございました。
2008/03/24 21:47  | URL | tourien #-[ 編集]
-  -
こんにちは。初めまして(初めましてでは無い様な気がしていますが。。)
曜変天目が目に飛び込んできたので、思わずコメントしてしまいました。この美術館は結構近い場所にあるので、曜変天目は何度か見に行きました。前回の公開時にとても気に入って絵葉書まで購入してしまったほどです。バスでの移動との事でしたが、二子玉から美術館まで、緑道などがあって、歩いても楽しいです。
でも、お時間がもったいないですよね。
2008/03/25 15:29  | URL | 君平 #3/VKSDZ2[ 編集]
-  -
こんばんは
楽しまれたようで何よりですね。
茶碗の美のほう、TBいたしました。
これは久しぶりに現れたので、連日とても盛況だったようです♪
好きなものや初見もあったり、意外なものに見蕩れたり・・・楽しい展覧会でした。

ウルビーノは五月に行きます。
選ばれた絵、わたしもとても好ましく思います。
2008/03/25 21:36  | URL | 遊行七恵 #-[ 編集]
- tourien さま -
ナイスなタイミングでの出張ですごく嬉しかったんですよ、実は。
ヴーナスの体を男性的に描いた絵に関して、図録では「女性であるにもかかわらず男性的な性格をもつ神」であるとか、その筋肉が威厳・強さ・堅固さをあらわしている、とか書かれていました。
わたしがふと思ったのは、そもそもアフロディテは、ギリシア神話に登場する天空神ウラノスの切り落とされた男根が海に落ち、その泡から生まれた、というギリシャ神話からくるイメージもあるのではないかしら、ということでした。

世界に3つある(一部に4つという説もあるようですが)曜変天目のすべてが日本にある、ということに幸運を感謝の気持ちを感じます。
子供の頃にテレビで見たとき以上にすばらしいお茶碗でした。
2008/03/26 00:07  | URL | 紫 #-[ 編集]
- 君平 さま -
コメント、ありがとうございます。
時々ブログを見せていただいています。
私も今回、絵葉書買って帰りました。
駅から美術館までの道のり、車に気をつけながらなら歩くのにちょうどよさそうな距離でしたね。
初めてで、バスに乗ってからそう思いました。
雨で、荷物も多かったので帰りもバスになってしまいましたけど、風情のある町でランチもできて楽しい時間でした。
2008/03/26 00:11  | URL | 紫 #-[ 編集]
- 遊行七恵さま -
TBありがとうございます。
雨にもかかわらず静嘉堂は結構な人数の鑑賞者でにぎわっていました。
そう広くない会場に満載の器の数々。
なかなか去りがたいすばらしい展覧会でした。

ヴィーナス展は、プリニウスの博物誌もすごくすばらしかったです。
遊行七恵さんの目で見られた感想を見せていただくのを楽しみにしています。
2008/03/26 00:16  | URL | 紫 #-[ 編集]
-  -
火の神様の作品と 美の神様の絵
 なかなかみられないものを みせていただきました。
 微妙な色あい どんな色が隠されているのか 
画面から目がはなせません。
 
2008/03/26 07:15  | URL | 小紋 #-[ 編集]
- 小紋 さま -
ほんとに!
焼き物は火の神さまの贈り物ですね。

静嘉堂文庫美術館、大阪藤田美術館と3つの国宝・曜変天目茶碗のうちの2つをこれで拝見できました。
あとひとつの大徳寺塔頭・竜光院さんにあるお茶碗をいつか見ることができれば、と願っているんです。
2008/03/26 13:54  | URL | 紫 #-[ 編集]
-  -
とある雑誌で、ウルビーノのヴィーナスをとりあげていて、「行きたいな~。」と思っていました。

じっくりと絵を堪能できて、良かったですね。
一つの絵を時間を掛けて観るのは、楽しいですよね。

これは、私の個人的な感覚なのですが、
欧米の女性、特に北欧の女性は、しっかりとした体系と言うのでしょうか、日本の男性よりも男性的な体系をしていると思います。

最後の絵、私も柔らかなタッチがとても好きになりました。
2008/03/26 19:36  | URL | みぉ #2.9j8I/Y[ 編集]
- こんばんは! -
・・・と言う事は、筋骨隆々にも、理由があったんですね!!
ただの流行ではなかったんだぁー!!
 
リンクの件、こちらこそ、よろしくお願い致します。m(__)m
2008/03/26 20:39  | URL | tourien #-[ 編集]
- みぉ さま -
ウルビーノのヴィーナス、 なまめかしくてきれいで、それでいてぜんぜんいやらしくなくて素敵な1枚でした。
よく見てみると手前に出している右腕の上腕部なんてすごく太く書かれていて不自然な構成なのに全体としてみるとちゃんとバランス取れているんですよね。
不思議な魅力のある絵でした。
ぜひ機会を作って行ってみて下さい。
2008/03/26 22:04  | URL | 紫 #-[ 編集]
- tourien さま -
難しいことはよくわからないんですけど、図録などを読んでみると筋肉隆々に描かれていることの背景が色々説明されていました。
でも、やっぱりヴィーナスはたおやかで美しい女性の体を持つ神であってほしいなぁ、と単純に思います。(^^)

リンク、ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
2008/03/26 22:07  | URL | 紫 #-[ 編集]
- こっそりおじゃまします -
古いお話で済みません。

多分、私も子供の頃、いつ頃でしたか、このNHKの番組を見たと思います。初めて天目という焼き物があることを知り、大きな衝撃を受けました。その美しさに魅了されたのです。
このお茶碗はその中でももっと綺麗だと思いました。紫さんがおっしゃるように、焼き物の中に小宇宙が存在しているようです。
2008/04/07 08:23  | URL | 阿修羅王 #QmhNi1cU[ 編集]
- 阿修羅王さま -
こんばんは。

きっと同じ番組を見たんですね。
なんだか不思議な気がします。
あの番組は天目茶碗、いいえ、お茶の器というものに初めて触れた機会でしたけれど、○十年たって(笑)本物にめぐり合えたことの喜びでいっぱいの展覧会でした。
2008/04/07 23:50  | URL | 紫 #-[ 編集]
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2008/03/25 21:34  遊行七恵の日々是遊行
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