梅雨の晴れ間に
2008/06/09(Mon)
天気予報は雨、だったにもかかわらず今日の日曜日はいいお天気に恵まれました。
明け方、雨の音で目が覚めたのでひどく降っていたようですけれど。

さて、京都・北村美術館で本日まで開催中の『平成20年 春季取合せ展 吉野懐古』に出掛けることにしました。
例によって会期終了間際の駆け込みです。

北村美術館は大抵の場合、展示会場をお茶時の席に見立てて、入場者は亭主に招かれた客のようにお道具を拝見していく、という展示の順番を取ってあります。
寄付から始まって、お濃茶、お薄茶懐石前段、懐石後段、そのほかに番外として今回は吉野の風景を描いた屏風、女神坐像が三躰、嵯峨桐金襴裂、宝尽唐子遊緞子裂の4点が展示されていました。

いいな、面白いな、と思ったものはいくつかありましたけれど、
寄付の手焙
胴の部分に松と梅が蒔絵で描かれ、ほやに竹が細工された大振りのもので材質はわかりませんでしたが大きな木をそのままくりぬいて作られていました。
全体の雰囲気がおおらかで楽しく面白い手焙。

お濃茶の席では漆の瓶子
花入れですけれど、竹の文様が施されいい感じに漆がはがれ下地が見えていて、形は上部が大きくふくらみを持って裾に行くほどすぼまった温かみのあるものでした。

お薄の席でいいな、と思ったものに干菓子器がありました。
根来の盤に少し高めの足のついたものでひし形に近い葉のような形をしたものです。

懐石の器の中にも黄瀬戸の杯や藍和蘭の鉢物など、なかなか上品な取り合わせで全体をまとめてある感じがしました。

前に北村美術館の記事を書いたときにもご紹介しましたが、ここの美術館の隣にある四君子苑と名のついた数寄や造りの茶苑が素敵で、美術館のガラス張りのロビーからその様子を見ることができます。







北村美術館をでて一休み、
すぐ近くの「李青」はお気に入りの喫茶室。




ここも以前に記事にしたことがありますが、高麗美術館の創始者の娘さんが経営されている韓国のお茶がいただける素敵なお店です。



お店の前に咲いていました。
葵の仲間かと思いますが、なんでしょう?

店内は李朝家具でしつらえられていて、家具や器をみるのも楽しみ。









黒高麗の壷にはアザミが飾られていました。
今日いただいたのは「スジョンガ」
しょうがと桂皮を煮出したものに蜂蜜と干し柿を入れたさわやかな夏向きの飲み物です。



私はこれとシフォンケーキ
連れ合いはお餅





スジョンガをいただいているとお店の方のお知り合いらしき方が「一枝だけど」と花を持ってこられました。
早速パンダジの上の花を入れ替えられたのでもう一枚、画像を撮らせていただきました。



飾る花が変わるだけで随分雰囲気が違います。
こちらはうつぎでしょうか。

ほんとにおいしいスジョンガをいただいて、今度は自転車を飛ばして楽美術館へ。

こちらは来週の日曜日まで「樂家の系譜 歴代の名品」を開催中。
今日は特別鑑賞茶会の開催日なので大勢の人でにぎわっていました。
ここでは楽美術館が持っていらっしゃる器で茶会を楽しむことができます。

ご近所ということもあってもう何度も足を運んでいる場所ですけれど、いつ訪ねて来てもほのかに香るお香に気持ちが休まるような気がします。
今回も初代から当代までが焼かれたお茶碗が並んでいました。
やっぱり私は長次郎の焼いたお茶碗が好き。
小ぶりで薄く手ひねた、掌にのせた時の温かみが伝わってくるような作行きがなんとも好ましい。

時代が下がるにつれておそらく美術品になってしまったがために一度も使われることなく収蔵され展示されるだけのお茶碗がすこし残念で、味わいがつかないままの器を見ると思わず(使って欲しい)とお茶碗がいっているような気がします。
その点でも長次郎の作ったお茶碗は様々な人の手によって何度もお茶が点てられ幾人もの人の手で愛でられた器がもつ独特の味があって、それが私をひきつけるのだと思います。

今日、残念だったのは、楽美術館の中で平気でおしゃべりを続けている人が少なからずいたこと。
おそらく予約したお茶会の時間を待っていた方なのでしょうが、待合があるにもかかわらず展示室の中で作品の前に立ったまま、もしくはベンチに座ってその場に関係のないおしゃべりをかなりのボリュームで交わしていました。
場にふさわしい行動を、と自らをも戒めつつ、帰路に着きました

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コメント
- こんにちは。 -
最近は美術館におばさんの集団をよく見かけますが、作品も見ずに、おしゃべりばかりしながら場内を歩き回っている人がいますネエ。
テレビで紹介されたからという理由だけで、中身も知らずに来られる方が多いような気がします。
美術館に併設されたカフェって何だかとてもいいですよね。心の洗濯をした後に飲む珈琲だから美味しいのでしょうか。
2008/06/09 12:23  | URL | 君平 #3/VKSDZ2[ 編集]
-  -
素敵な美術品を見てまわり、美味しいものを食べられる。
とても贅沢で幸せな時間の使い方ですね。
限られた休日の時間を有意義に過ごすことは大切なことです。
紫さんの記事を読んでいると、こちらまで、そんな時間のおすそ分けをしていただいているようで、とても嬉しいです。

冷たいスジョンガ、飲んでみたい〜
2008/06/09 19:12  | URL | ば〜むく〜へん #-[ 編集]
-  -
ああ、楽美術館行かれたのですね。私もちょっと気になっていたところです。素晴らしい器というのは、やはり使ってこそよさがわかると、私も思います。
タンスの肥やしになっているお着物たちも、この状態から出してやらないと・・・

北村美術館って、ひょっとして府立大体育館のとなりのあそこですか。場所はよく知っていますが、こんなに素敵な美術館とは知りませんでした。今度機会があったら行ってみなければ行けませんね。

どこにでもいる美術館でのおしゃべりをする人、私も嫌いです。
2008/06/09 21:58  | URL | 阿修羅王 #QmhNi1cU[ 編集]
-  -
北村美術館はこの冬行って、冬季休館中であえなく敗退、、したんですよね。茶道のいい道具がお茶会を模して見られるんですね。近いうち必ず行きたいです。
李青さんへは行きましたよ。いい雰囲気のお店でしたね。李朝家具にも興味があるし、スジョンカも好きです。
お店の前のお花は韓国の国花木槿(むくげ)ではないでしょうか?自信ありませんが、、、。
2008/06/09 22:01  | URL | しぇる #-[ 編集]
- 君平 さま -
ほんとに、美術館などで場違いにおしゃべりに夢中になって周りの視線に気づかない人がいると嫌な気分になります。
よく「最近の若い人は」とか「最近の中学生は」「高校生は」などと言ったりしますが、電車の中での携帯電話のマナーなども、中高年の女性が一番悪いような気がして悲しいです。

美術館のカフェ、美しいものの余韻に浸って現実世界とのハザマを埋めてくれる場所ですね。
最近、おしゃれなところが多くなったような気がします。
2008/06/09 22:40  | URL | 紫 #-[ 編集]
- ば〜むく〜へんさま -
絵画や焼き物や、仏教美術など、若い頃とは違った視点で見られるようになっているようです。
年を重ね、経験を積んで、考え方、ものの見方を自分なりにつかんでいけることは素敵だと思います。

スジョンガはほんとにすっきりと美味しくて、帰宅後さっそくネットで作り方を調べました。
この夏ははまってしまいそうです。
2008/06/09 22:44  | URL | 紫 #-[ 編集]
- 阿修羅王さま -
着物、私も最近になって、いいなぁ、と改めて思うようになってて、でも着付けができないのでDVD付の「時分で着られる」本買ったりしています。
何度か家で着る練習して、着物に「着られ」なくなったらデビューしてみようか、と(笑)
若い頃、お茶を習ってたときには着なかった、よそ行きじゃない着物の着方、したいです。
ところで、阿修羅王さんはお着物のときはまさか愛車じゃないですよね?


北村美術館は河原町今出川を1本下がった東入るです。
受付にいらっしゃる係りの方も、ここにふさわしい、上品ですごく素敵な方なのでぜひ、一度お出かけくださいね。
2008/06/09 22:54  | URL | 紫 #-[ 編集]
- しぇる さま -
休館中だったんですね、せかっくなのに残念でしたね。
でも、電車に乗ってしまえばすぐなのでいつでも来られますね。

李青、いいですよね。
妙に心が落ち着きます。
ここと、高麗美術館は私のお気に入りなんです。
北大路に、親族の方がされている古美術店もありますよ。

店先の花、やはり木槿だったのでしょうね。
花がすごく小ぶりだったのでなんだろう、と思ったんですけど。
ありがとうございました。



2008/06/09 23:02  | URL | 紫 #-[ 編集]
-  -
楽美術館は お茶をしてる友達と 一度行ったことがあるので 懐かしい気持ちです。

 やはり 行ったことのあるところは 思い出すことができるので 雰囲気を味わいながら 今見てるような気持ちになれます。
2008/06/10 08:07  | URL | 小紋 #-[ 編集]
- こんばんは -
北村美術館の目の前まで行って、二度も素通りしてきました。次回は寄らせて頂こうかな・・むしろ李青さんの方かな(笑)
2008/06/10 22:15  | URL | われもこう #-[ 編集]
-  -
こんばんは!

お花を入れ替えた、花入れ、向きが正面を向いていませんよね!
これって、韓国流とかですか?

楽のお茶碗に関しては、段々、使えるの??
と、思いたくなるような作品になってますよね?
やはり、工芸品から、美術品へ・・・逆に見れば、
美術品としては、画期的なのでしょうね?
2008/06/10 23:21  | URL | tourien #-[ 編集]
- 小紋 さま -
楽美術館へ行かれたのですね、あそこは我が家からわりに近いんです。
普段は静かでゆっくりできるところなんですけど、この日はちょっと悲しかったです。
2008/06/11 21:03  | URL | 紫 #-[ 編集]
- われもこうさま -
二度、素通りですか(笑) この次、ご縁があるようだったらお立ち寄りください。
李青には、ぜひぜひ、どうぞ。
落ち着いた雰囲気で、しかも普通の喫茶室とはちょっと違った雰囲気が味わえます。
メニュー、冷麺やピビンバなどのお食事ものもあります。
2008/06/11 21:06  | URL | 紫 #-[ 編集]
- tourien さま -
黒高麗、画像が不鮮明でわかりづらかったですね、ごめんなさい。
これ、ちょっと器形がゆがんだ扁壷なんです。

楽茶碗、私個人の気持ちを言えば初代から三代までの作品が好きです。
自らを『お茶碗や』と名乗られていた時代のものは素直で、だからこそ、なにか心惹かれるような魅力があるように思います。
長く続く家業を継いでいく、というのは他人にはわからない苦悩がきっとあるんでしょうね。
ご先祖の模倣に終わっては周りが許してくれない、新しいもの、より素晴らしいものを求める気持ちが作為になっていくんだろうと思います。
2008/06/11 21:12  | URL | 紫 #-[ 編集]
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